今回は、退職した後の保険等の切替手続きや減免についてお話ししていきます。
個々の手続きのやり方はネットで調べれば出てくるのですが、「結局どの順番でどこに何を持って何しに行けばいいかよくわからない!」ということがあると思います。
ということで今回は、『病気で退職した場合にやること』を時系列で解説していきます。
実際に私は適応障害で休職後退職しましたが、本記事でご紹介する順序でスムーズに手続きが完了しました。
また、約40万円の保険料免除と約40万円の手当金を受け取ることができました!
以下のような方は参考にしてくださいね。
【予備知識】失業保険って?自己都合退職から変更できるの?
病気などの理由で退職した場合に行う手続きを解説する前に、少しだけ失業保険(雇用保険)について解説します!
失業保険がもらえる条件
失業保険は正式には雇用保険と言い、失業した場合に失業給付金をもらうことができる制度です。
会社は原則として、労働者の雇用保険の加入手続きをしているので失業給付金を受給できます。
ただし以下の方は雇用保険の適用除外にあたるので失業給付金をもらうことができません。
また受給するためには、以下のような条件をすべて満たす必要があります。
「労働しようという意思」については周りから判断ができないので、「働く気がある」という自らの意思表示と求職活動という行動が必要になります。
(逆に言えば、退職後しばらくゆっくりしたいと思っている方でも意思表示と行動さえできれば受給できます(小声))
「働きたいけど病気中」という場合は「労働する能力がない」という判断になりますが、失業給付金の受給期間延長手続きをすることで、働けるようになってから給付を受けることができます。
退職理由を自己都合ではなく特定理由受給者にするメリット
失業保険は、自己都合退職した場合でも特定理由受給者(やむをえない事情で自己退職した)として認められた場合は、以下のような恩恵を受けることができます。
退職届に「一身上の都合」と書いて退職した場合は、自己都合退職となります。
しかし、実際には病気などの理由で退職した場合、自分の意思に反する正当な理由があるとして「特定理由離職者」に認定されます。
自己都合退職した方も、手続きによって、特定理由受給者(やむをえない理由での自己都合退職)に変えましょう!というのが本記事の内容でも大事になってきます◎
【結論】特定理由受給者(病気退職)の手続き。どういう順序で行けばいい?
それでは、病気で退職するときの手続きをご紹介していきます。
行く場所 | 行く時期 | やること |
---|---|---|
①病院 | 退職前 | 診断を受ける |
②役所 | 退職日が確認できる書類が届いたら (退職後14日以内) | 保険と年金の切替 |
③ハローワーク | できるだけ早く | 雇用保険(失業手当)の申請 病状証明書を受け取る |
④病院 | 雇用保険の初回認定日まで | 病状証明書を医師に書いてもらう |
⑤ハローワーク | 初回認定日 | 雇用保険の認定をもらう 病状証明書を提出して退職理由を変更してもらう |
⑥役所 | 退職理由を変更後の書類をもらったら | 健康保険料、市民税等の減免申請 |
⑦ハローワーク | 2回目以降の認定日に毎回 | 雇用保険の認定をもらう |
※行く順序や手続き内容は、私の実体験に基づくものになります。お住まいの地域などによっては内容が若干変わることがあるので、確実な情報を知りたい方はお住まいの役所にお問い合わせください。m(_ _)m
①退職前に病院で受診
病気によって会社を辞める場合にやることとして、唯一退職前に必要なのが、病院での受診です。
単純に治療のためでもありますが、大事なのが「在職中に体調不良であったことの証明をするため」です。
体調不良で退職をした場合は、やむを得ない事情で職を失ったことになるので、失業保険の即入金や保険料免除などのうれしい恩恵が受けられます。
ただし自己申告では証明ができないので、医師に「働いている時本当に体調不良だったよ〜。でも退職した今は働けるよ!」という書類(病状証明書)を、退職後に書いてもらう必要があります。
退職後だけ病院に行っても、在職中に本当に体調不良だったのかは医師にもわからないので、病状証明書を書いてもらうことはできません。なので退職する前に必ず受診しましょう。
自分の体調不良に合わせて何科でも大丈夫です。診断書は特に必要なく、とにかくここでは在職中の体調不良として受診履歴を残せばクリア。
「ちょっとお腹痛い」などの仕事のせいとは言い切れなさそうなものでも、医師の診断によっては特定理由受給者(やむを得ず自己退職した人)の認定が受けられることがあるそうです。
とりあえずでも行っておくのがおすすめ。
②役所で保険・年金の変更手続き
退職したら、保険・年金の切替を必ず行います。届出は一応14日以内とされているので、以下の持ち物がそろったらなるべく早めに行いましょう。
※「【お住まいの地域】 保険切替 持ち物」とかで検索すれば、正確な持ち物が出てくるので確認してください。
健康保険被保険者資格喪失証明書と離職票は、退職後に会社が必ず発行してくれます。私の場合は、たしか退職後1週間くらいで届きました!
③ハローワークで失業手当申請&病状証明書もらう
次にお住まい地域のハローワークに行って失業保険の申請を行います。初めて行く時は緊張しますが、スタッフさんが教えてくれるので、大丈夫です。
そしてここで退職理由を聞かれるので、病気で退職したことを伝えて病状証明書をもらいます。
この病状証明書が「自己都合退職」→「やむをえない事情で退職」に変えられるカードになります。
向こうから言ってくれない場合には、こちらから「実は体調不良で辞めまして…」というのを伝えましょう。
ちなみに会社には病気を理由に言わずに辞めたとしても、あとで会社に怒られたりすることはないので安心してくださいね。
ハローワークで伝えた本当の理由と会社に申請した退職理由が一致しなくてもOKです。
④病院で病状証明書を書いてもらう
①の退職前に受診した病院に行って、病状証明書を書いてもらいます。発行には数千円かかる場合があるので注意です。私は4,000円くらいしました。
次にハローワークに行く時(1〜3週間後くらい)に提出するので、それまでの期間に病院に行きましょう。
書いてもらう内容は、こんな感じでした。(役所によります)
ここで大事なのは「退職時点は体調不良であったこと」「退職後は働くことが可能であること」の証明です。
この証明を医師ができないと判断した場合や記入漏れなどがあった場合は、ハローワークで受け取ってもらえないので注意です。
⑤ハローワークに病状証明書提出
2回目にハローワークに行った時に病状証明書を提出します。
2回目のハローワークは、雇用保険説明会か初回認定日となります。
(通常は雇用保険説明会ですが、コロナの影響で雇用保険説明会がない場合は初回認定日に行きます)
病状証明書の内容に問題がなければ、受給資格者証の退職理由が「40正当な理由のない自己都合退職」⇨「33正当な理由のある自己都合退職」に無事変更となります!
⑥役所へ保険等の減免申請
退職理由が「正当な理由のある自己都合退職」に変更になった受給資格者証、離職票等を持って健康保険料、年金、市民税等の減免申請を行います。
私は全額で約40万円ほどの免除を受けられました!無職にはありがたすぎる。
きちんと役所で手続きすれば、正当な権利で免除できるのでやりましょう。支払いの催促状が来る方がめんどくさいですよ…
⑦認定日にハローワークへ
失業保険の認定を受けるために、認定日にハローワークに行きます。もらえるものはもらおう〜!
まとめ:病気で退職!失業保険や退職理由変更の手続き手順でした
病気で退職した時の手続きについて解説しました。もう一度まとめると以下の通りです!
行く場所 | 行く時期 | やること |
---|---|---|
①病院 | 退職前 | 診断を受ける |
②役所 | 退職日が確認できる書類が届いたら (退職後14日以内) | 保険と年金の切替 |
③ハローワーク | できるだけ早く | 雇用保険(失業手当)の申請 病状証明書を受け取る |
④病院 | 雇用保険の初回認定日まで | 病状証明書を医師に書いてもらう |
⑤ハローワーク | 初回認定日 | 雇用保険の認定をもらう 病状証明書を提出して退職理由を変更してもらう |
⑥役所 | 退職理由を変更後の書類をもらったら | 健康保険料、市民税等の減免申請 |
⑦ハローワーク | 2回目以降の認定日に毎回 | 雇用保険の認定をもらう |
正直、手続き関連はめんどくさいですよね。
やらなくていいか〜となる気持ちも超わかりますが、最終的にはいろいろな支払額が減って助かるので行くのがおすすめです。
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